皆さまをヨコハマに迎えるにあたって

photo_color干支で言いましたなら一回りの周回点であります第12回日本疲労学会総会・学術集会を,2016年5月20日(金),21日(土)で開催させていただく任を務めることとなりました。安政の開国(1859年7月1日)から157年にわたり,外に向け開かれた都市として在りましたヨコハマに,会員や学術集会に参加くださいます皆さま,そして展示にかかわっていただく方々を,お迎えできますことを嬉しく思います。

日本疲労学会では,毎年,疲労に係る学術的側面,診断・治療的観点,社会とのかかわりについてご発表をいただき,プラットホーム会場,ポスター発表会場などで,活発な質疑により,皆さまとの協働を深められてまいりました。今回の大会においても,慢性疲労症候群の呼称の変容,その診断基準という,非常に重要な内容を,最終日最後のセッションに置き,そこに至る先端的な科学知見を,特に脳神経科学の観点から,またそこからの信号に応答した身体での代謝反応などのセッションを,初日と2日目に分け,皆さまにその成果を享受していただこうと配置いたしました。社会とのかかわりに関しましては,2日目に過労死につながる労働での疲労についてのセッションを,準備することができました。こうしたセッションをオーガナイズくださいましたオーガナイザの先生方には,深く御礼申し上げます。また,大会HP立ち上げに先立ち,新規セッションのご提案を募り,それに応えてくださった中から,あらたに「慢性疲労症候群の実臨床」というセッションも開くことといたしました。

横浜を県庁所在地といたします神奈川県では,知事を先頭に「未病を直す」と「最先端医療・最新技術の追求」という二つのアプローチからなるヘルスケア・ニューフロンティア政策を推し進めております。この一端は,学術集会冒頭での知事挨拶並びにこの政策推進の担当理事からの講演で,ご紹介いただけるものと思います。また一方,日本疲労学会の理事長並びに学会を構成する主要な先生方や多くの企業の参画により,関西圏では「健康”生き活き”羅針盤リサーチコンプレックス」が形成され,将来にわたり健康で”生き活き”とした人生を送っていく上での道標(羅針盤)の提供と,そのためのツール(仮想自身)の構築を進められつつあります。この概要に関しましては,理事長自らの基調講演でご紹介いただけるものと存じます。

これらは,疲労研究が科学として成立させ,疲労を制御・克服することの大切さを訴え続けてきた日本疲労学会の活動成果からの光をもって照らされた道を歩んでいるかのように感じられます。疲労は脳が発するアラームであり,今後とも,わが国そして世界の人々が発するアラーム,訴えに対し,アクティブに働きかけられる学術団体として,その発展に力を尽くしたいと存じます。このことに対しまして,皆さまからの益々のお力添えを,大会期間中そしてその後も,賜りたく存じます。

多くの方々のご参加そしてご発表いただけますことに,ここにあらためて,心より御礼申し上げます。

2016年5月吉日

第12回日本疲労学会総会・学術集会会長
横浜国立大学大学院工学研究院
小泉淳一

 


 

皆さまをヨコハマに迎えるにあたって(大会会長挨拶 その1:お詫び篇)

干支で言いましたなら一回りの周回点であります第12回日本疲労学会総会・学術集会を,2016年5月20日(金),21日(土)で開催させていただく任を務めることとなりました。まず,通例の大会会長挨拶を掲載する前に,お詫びの言葉をしばらくの期間,掲載させていただくことをお許しください。

今回の大会で,皆さまの参加の利便性を高めようと,参加費その他のクレジット決済,日本旅行に依頼しての宿泊先の確保並びに日本旅行サイト内での決済の完了など,これまでに無かったところを組み入れようといたしましたためもあって,大会HPの公開が,大変に遅れてしまいましたこと,ここにあらためて深くお詫び申し上げます。

これまでの日本疲労学会総会・学術集会のHPは,それぞれの大会会長が独自に立ち上げられ,それぞれの個性の中で,運営・実施されておりました。しかしながら,今後,大会運営にマンパワーで臨むことが難しい先生方が担当されることもあるとも思い,次に引き継げる,また引き継ごうとされるならば,HPをはじめとした各種大会開催前運営方法などのマニュアル化も目指しました。ただ,思いに比して,私が非力でありましたため,ここまで遅れる仕儀となってしまいました。重ねてお詫び申し上げます。

今後,日本疲労学会の活動が,病態に苦しまれている患者さんを含め,皆さまのご協力で益々発展し,社会に十全に貢献できる礎をと思い,本大会の後に残す所存でありますので,そのことご理解いただき,皆さまの奮ってのご参加,切に願うものでございます。

多くの方々のご参加そしてご発表,また企業体として関連する方々の展示等,ここに心よりお願い申し上げます。

2016年3月15日

第12回日本疲労学会総会・学術集会会長
横浜国立大学大学院工学研究院
小泉淳一

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